YOSHIの青春歌謡曲!!

〜青春時代に聴いた宝物の再発見〜

〜幸せの重さはスプーン1杯のシュガー?〜ひとり歩き/桜田淳子(1975年3月)

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1975年3月5日に発売された桜田淳子の9枚目のシングル(作詞:阿久悠、作曲:筒美京平)で、同年4月26日に公開された初主演映画「スプーン1杯の幸せ」の主題歌。

桜田淳子と言えば、「スター誕生!」の予選大会で番組史上最高得点となる573点(合格ライン250点)をたたき出し、第4回決戦大会でも番組史上最高の25社から獲得意向のプラカードが上がり、審査員からも圧倒的な評価で最優秀賞(グランドチャンピオン)を受賞した伝説を持つ。

1973年2月25日に「天使も夢みる」(作詞:阿久悠、作曲:中村泰士)で歌手デビューしてオリコンチャート最高12位の好スタートを切り、3枚目のシングル「わたしの青い鳥」(作詞:阿久悠、作曲:中村泰士)で第4回日本歌謡大賞放送音楽新人賞、第15回日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞。そして、8枚目のシングル「はじめての出来事」(作詞:阿久悠、作曲:森田公一)で、ついにオリコンチャート1位を獲得!

「ひとり歩き」は、「はじめての出来事」に続くシングルで、こちらもオリコン最高4位、売上34.1万枚の大ヒット。

「スター誕生!」の審査員だった阿久悠は、桜田淳子に惚れ込んで、デビュー以来ずっと作詞を担当し、桜田淳子の年齢的・内面的成長に合わせた楽曲の世界観を構築している。

デビュー曲からそれまでのシングルのタイトルを見ると、「天使も夢みる」「天使の初恋」のような純真無垢な「天使」のイメージから、「わたしの青い鳥」「花物語」「黄色いリボン」を題材とした純情少女路線を経て、出だしの「口づけ」の歌詞が印象的な「はじめての出来事」で少しだけオトナの匂いを漂わせ、「ひとり歩き」で失恋を経験させて、徐々に大人への階段を登っていく。また、この曲が主題歌とされた映画「スプーン1杯の幸せ」では、桜田淳子演じる高校生が当初反発していた部活動の先生に対して途中から初恋だと気づくが、成就せずに失恋するストーリーとなっており、この曲の歌詞ともリンクしている。

作詞:阿久悠、作曲:筒美京平

「涙という字を書いて ちぎって窓から捨てます

もうしばらく君と 逢いたくないのです

恋は今うしろ姿で 私の前から 消えて行きます

恋するよろこびのあと 別れの悲しみ知らされ

もう私は大人 大人のつもりです

 私という字を書いて ブルーのインクで 消します

顔を見るのもいやな きらいな私です

好きならば いえばいいのに 気のない顔して 悔やんだりして

しあわせの重さ計る 秤があるならほしいの

今私はどんな しあわせなのかしら

恋は今うしろ姿で 私の前から 消えて行きます

恋するよろこびのあと 別れの悲しみ知らされ

もう私は大人 大人のつもりです」

🎵涙という字を書いて ちぎって窓から捨てます🎵

岩崎宏美の「ドリーム」にも、「愛と一つ書いただけの手紙を折って  窓から飛ばし」という阿久悠による似たような歌詞があったなぁ→宝物を発見したような気分(笑)

🎵恋するよろこびのあと 別れの悲しみ知らされ もう私は大人 大人のつもりです🎵

→映画では、桜田淳子演じる高校生梅村乃里子のプライベートを盗撮した福島清彦(黒沢年男)が偶然にも国語の先生として乃里子の高校に赴任してくる。このため、乃里子は、盗撮の償いとして、福島にバドミントン部のコーチを依頼する。乃里子は、激しい練習の中で福島の魅力に徐々に惹かれていくが、福島は、何と小料理屋「梅村」を営んでいた乃里子の母千恵(浜木綿子)との結婚を決意する。最初は、猛反対だった乃里子だったが、彼との一対一の苦しいバドミントンの試合の中で気持ちも変化していく。淡い初恋が成就することはなかったが、この失恋の経験で人間的にも大きく成長する、という展開。歌詞の内容が映画「スプーン1杯の幸せ」で具体化されている。

🎵しあわせの重さ計る 秤があるならほしいの  今私はどんな しあわせなのかしら🎵

→幸せは、大事に扱おうとしてもすぐにこぼれ落ちてしまう「スプーン1杯のシュガー」のように儚いものかもしれない。

 


桜田淳子「ひとり歩き」