YOSHIの青春歌謡曲!!

〜青春時代に聴いた宝物の再発見〜

〜隠れた名曲の隠れた作曲家?!〜今夜は気取って/布施明(1978年3月)

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78年3月10日に発売された布施明の41枚目のシングル。

布施明と言えば、彫りの深いハンサムなルックスとともに、伸びやかで豊かな声量の持ち主で歌唱力の評価が非常に高い実力派歌手。

 

霧の摩周湖」(66年12月発売)「愛の園」(68年4月)「愛は不死鳥」(70年4月)「そっとおやすみ」(70月7月)「積み木の部屋」(74年3月)「シクラメンのかほり」(75年4月)「傾いた道しるべ」(75年10月)「君は薔薇より美しい」(79年1月)「恋のサバイバル」(79年5月)等、10年以上にわたってヒット曲も数多い。

 

でも、今回紹介するのは、そんなヒット曲ではなく、隠れた名曲とも言える「今夜は気取って」(78年3月発売)

 

作詞は布施明本人、作曲は、ロバート・ヒューズ、編曲は80年代に作曲家として頭角を現す前の林哲司。作詞と編曲は良いとして、作曲のロバート・ヒューズ、聞いたこと無いけど誰、それ??

 

「恋のサバイバル」のように洋楽のカバーなら、「作詞」布施明ではなく、「日本語訳詞」布施明とかになる筈だが……それとも布施明がロバート・ヒューズなる無名の人物と特に親交があって作曲を頼んだのか?……

 

気になってネットで調べてみると、面白い事が分かった。なんと、「ロバート・ヒューズ=布施明」説があるのだ!布施(fuse)を英語風に読むとヒューズになるという。。なるほど、それなら納得がいく。でも、何故わざわざ、そんな暗号めいた表記を使ったのか、謎は残るが(笑)

 

作詞作曲共に布施明本人らしいとして、曲の中身に入ろう。

この曲は、何と言ってもサビの部分の「貴女はいつも輝いていて欲しい それがうわ気な男の望みさ」の部分が強く心に残っている。彼女を振った主人公の彼が、彼女を気遣い、失恋を糧にしてより輝く女性になって、お似合いの人を見つけて欲しいと彼女にエールを送る内容。

 

作詞:布施明

作曲:ロバート・ヒューズ

編曲:林哲司

「別れに貴女(あなた)は僕に ほほえんで見せたね

強い女(ひと)だね貴女は 心かくして

あいつが言っていたよ あの夜の貴女を

泣き通しだったってね あのお店で

貴女はいつも輝いていて欲しい

それがうわ気な男の望みさ

今夜はコサージュつけて 出かけてみたらいい

貴女に似合いの人と めぐり逢うかも

 

古い写真のように 色あせた時間は

勝手に捨てておくれ 時の流れに

貴女の涙を僕は 知らないでいたけど

この部屋のあちらこちらに 落ちてるようで

貴女はいつも輝いていて欲しい

涙が真珠に変ってゆくように

こんなことってあるかよ 捨てたはずのこの僕に

夜ごと思い出だけが 酒のつまみさ

 

貴女はいつも輝いていて欲しい

それがうわ気な男の望みさ」

 

この曲に出てくる主人公の男性は、一見カッコよく、布施明本人とダブって見える。彼女を度々泣かせたそんな過去の出来事はキッパリ捨て去り、輝く女性になって新しい彼を見つけて欲しいと彼女を励ます、絵になる男。だがしかし、本当は、彼女の事を忘れられずに、毎晩独りで酒を飲みながらメソメソと彼女との思い出に浸っているトホホな男(笑)。

この曲の世界は、作詞した布施明自身の恋愛観や女性経験に基づくものかも知れない。

 

アップした動画の40年前の布施明は、コサージュを付けてカッコよく決めている。

この頃は、西城秀樹沢田研二らと同じく「夜のヒットスタジオ」の常連だったが、司会者井上順や芳村真理との曲前トークでは彼らとは一味違う独特の雰囲気を出している。特に、井上順に脚の短さを再三からかわれる短足いじられキャラ。。。このキャラは野口五郎とばかり思っていたが、この頃は、布施明だったんだ!?(笑)

 


布施明「今夜は気取って」