YOSHIの青春歌謡曲!!

〜青春時代に聴いた宝物の再発見〜

〜天地真理のサマーソングとの意外な関連性~太陽の日曜日/荒川務(1974年6月)

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74年6月10日発売のデビュー曲「太陽の日曜日」で、荒川務は、日本レコード大賞新人賞を受賞(なお、この年、浅野ゆう子城みちるテレサ・テン、西川峰子らも同時に新人賞を受賞している)。

 

74年と言えば、400組もの新人歌手・アーティストがデビューした空前の戦国時代。太田裕美伊藤咲子あいざき進也アルフィー、イルカなどの現在も活躍中の実力派もこの年にデビューしている。

 

「太陽の日曜日」の曲は当時から良く口ずさんでいたが、荒川務が歌番組に出演していた記憶は全くなく、むしろオールスター大運動会の走り高跳びで活躍したことの記憶だけがしっかりと残っている(笑)。

 

前回、天地真理の「恋と海とTシャツと」の作詞が安井かずみであることを紹介したが、その記事を書いている途中に、荒川務の「太陽の日曜日」の作詞も確か安井かずみだったよな、と思い出した。

 

調べてみると、「太陽の日曜日」の発売日は74年6月10日で、「恋と海とTシャツと」の発売日(74年6月1日)と、ほぼ同時期。

 

作詞:安井 かずみ

作曲:都倉 俊一

「あとからおいでよ 君も

皆んなで 集まる まぶしい太陽だよ 

今日は日曜日

一・二の三・四で 海に

皆んなで 駆け出すまぶしい砂浜だよ 

今日は休みだよ!

海は友だちさ 風は恋人 今の僕には

波を追いかけて ぬれたシャツなら

裸になろう

いつか たった一度 見た きれいな人

感じた恋のはじまり僕の胸に忘れられなくて

ヘヘイ 君のこと!

 

あとからおいでよ 君も

友達 来てるよまぶしい太陽だよ 

今日は日曜日

一・二の三・四で 誰が

一番早いか まぶしい砂浜だよ

今日は 休みだよ!

 真赤なギターを 弾いてうたえば 僕の心に

おぼえたての歌 なぜか切ない

初恋の海

いつかたった 一度 見た きれいな人

感じた恋のはじまり僕の胸に忘れられなくて

ヘヘイ 君のこと!」

 

歌詞には、太陽、海、砂浜、風、波、シャツなどの夏鉄板ワードが多数出てくる。一方、「恋と海とTシャツと」の歌詞も、太陽が「お陽さま」となっているが、海、砂浜、潮風、波、Tシャツが登場し、確かに良く似ている。同じ作詞家なので、似ていても全く問題はないが、安井かずみは、同じ時期に同じ情景をイメージにして2曲を同時並行的に作ったのではないか。

 

ただし、同じ夏定番の情景でも、「恋と海とTシャツと」は、恋にときめく乙女心をモチーフとしているのに対して、「太陽の日曜日」は、甘酸っぱく切ない初恋のティストをさらりと織り込んでいる。男性アイドル歌手のデビュー曲のテーマとして相応しく仕上げており、流石は安井かずみである。

 

歌詞の最後の「ヘヘイ 君のこと!」

特に意味は無いが、何故か印象に残るフレーズ。

「恋と海とTシャツと」の「あまりに恋が シャララ 素敵だから」のシャララの歌詞もまた然り。

 

それと、曲のタイトルだが、安井かずみ作詞の曲には、「日曜日」以外にも、「おしゃれな土曜日」(ミミ萩原:73年10月発売)や「危ない土曜日」(キャンディーズ:74年4月発売)など74年前後に発売された「土曜日」をタイトルとしたものもある。

 

こうして、全く違う曲同士に共通点を見つけると、何か宝物を発見したような気分になる(笑)


荒川務「太陽の日曜日」