YOSHIの青春歌謡曲!!

〜青春時代に聴いた宝物の再発見〜

~幻の岬?となった名デビュー曲~おもいで岬/新沼謙治(1976年2月)

f:id:YOSHI88:20191008184521j:plain

1976年2月1日にリリースされた新沼謙治のデビュー・シングル。

 

新沼謙治は、岩手県大船渡市出身。左官屋の経歴を持ち、日本テレビ系オーディション番組「スター誕生!」に5度目の挑戦でようやく合格して歌手デビューを果たした苦労人。芸能コースのある堀越学園に通学していた他のアイドル歌手とは一味も二味も違う。普段は訛り丸出しの東北弁でぼそぼそと喋るが、歌になると一変して、安定感のある堂々とした歌いっぷりになる…このギャップが印象的だった。

 

デビュー後は、2ndシングル「嫁に来ないか」がヒットし、第18回日本レコード大賞新人賞を受賞し、NHK紅白歌合戦にも初出場。このため、「嫁に来ないか」が新沼謙治のデビュー曲だと思っている人も多いようだ。

 

「おもいで岬」の作詞は「スター誕生!」の審査員だった阿久悠。作曲は、由紀さおり「手紙」、夏木マリ「絹の靴下」、金井克子「他人の関係」、布施明「積木の部屋」、岩崎宏美「熱帯魚」などのインパクトあるヒット曲を提供した川口真。

 

歌詞は4番まであり、北の岬の「春夏秋冬」の情景が綴られた阿久悠の歌詞が叙情的で美しい旋律の川口真の曲と良くマッチしている。

 

作詞:阿久悠

作曲:川口真

「春はたき火の 燃えのこり消えた流氷 とぶ鴎

酒を片手の 親父らが 顔をゆるめる 口ずさむ

北の岬は 今もなお 忘れられない 忘れられない おもいで岬

 

夏は真赤な ハマナスが 夜に人待つ 虫も鳴く

人目しのんで 若い衆が 肌を寄せ合う 月の下

北の岬は 今もなお 忘れられない 忘れられない おもいで岬

 

秋ははやばや 色づいて 風の音する すすり泣く

酒が恋しい 人恋し 手紙ばかりを 書く夜ふけ

北の岬は 今もなお 忘れられない 忘れられない おもいで岬

 

冬はたずねる 人もなく白い灯台 ただ一つ

耐えてしのんで 船のりが 行方たずねる 目をはらす

北の岬は 今もなお 忘れられない 忘れられない おもいで岬」

 

わずか4分程度の時間で、北の岬の一年の季節の移ろいが味わえる(ただし、動画では、時間の関係で、春と冬のみの歌詞となっている)。

 

歌詞には「北の岬」とあるだけで、具体的な地名は出てこないが、「流氷」とあるので、北海道のオホーツク海沿岸の岬か?

 

「おもいで岬」は、オリコンチャート最高38位。新人歌手のデビュー曲としてはまずまずの好スタートを切ったと言えるのではないだろうか?それで、飛躍のきっかけとなった次曲の「嫁に来ないか」ではオリコンでベストテンの上位にでも食い込んだのではないかと思って調べてみると、これが意外や31位とそれほど変わっていない!

 

当時の売れ行きはそれほど変わらないのに、「嫁に来ないか」が新沼謙治の代表曲またはデビュー曲(?)として現在でもテレビで盛んに歌われている一方で、「おもいで岬」の方はほとんど聞いたことがない。いつのまにか誰も知らない幻の岬となってしまったのか??(笑)

 


新沼謙治「おもいで岬」