1977年10月にリリースされた野口五郎の25枚目のシングル。
この曲は、TBSテレビ『ザ・ベストテン』の初回放送時(1978年1月19日)の第10位、つまり、野口五郎は当番組の「ミラーゲート」を通って初めて登場した記念すべき歌手。(ちなみにこの放送時の第1位はピンクレディ「UFO」、第2位はキャンディーズ「わな」)
野口五郎のシングルでは、珍しく、『神田川』で有名な喜多条忠(まこと)が作詞を担当(作曲・編曲は筒美京平)。このためか、歌詞の内容は「貧しい生活の中で愛だけが心の支え」と言った、4畳半フォークの世界観が垣間見える。
♪僕の帰りを 暗い駅のベンチで 君は待ってた 赤いサンダル♪
舞台は、狭い下宿ではなく、駅のベンチ。僕の中では、ローカル線の鄙びた無人駅のイメージ。彼女の履いていた「赤いサンダル」が『神田川』の「赤い手拭」を想起させる。
♪紙の袋に こぼれそうなミカン♪
この曲が流行っている当時は全然違和感無かったのだが、今聴くと昭和の遺物のよう(笑)。
♪夢の続きを 見れるはずもないのに 君が待ってた 駅におりたよ♪
♪遠い風の音 何故か僕の胸で 君が泣いているようだ♪
会える筈も無いのに彼女との思い出の詰まった駅に出掛けてみるが、聞こえてくる風の音が切なさを一層増幅させるのだろうか…
風の音をイメージしたイントロ、野口五郎の熱唱も素晴らしい!
野口五郎の熱唱ぶりは、コロッケに良くモノマネされている。
若い年代の人は、テレビでコロッケのモノマネを見た後に、動画等で本物の野口五郎を初めて見た人も多いのでは。
僕は本物の野口五郎の歌い方を昔良くテレビで見ていたので、コロッケらのモノマネを見る度に、「あそこまではやってないだろう…」「あれはやり過ぎだろう!」などと思っていたのだが、改めて野口五郎の動画を見てみると、
イントロ時のキョロキョロと落ち着き無く視点の定まらない表情、右手で持ったマイクを大きく円運動させて口元に持ってくる仕草、ビブラート時の特徴的な顔、硬直した左腕の動き、上半身だけが右に傾いた体勢等々、コロッケそっくり(笑)…
野口五郎のモノマネをしているコロッケを野口五郎がモノマネしているよう(笑)、
鶏が先か、卵が先か、の問題のようにどっちが先か良く分からなくなってきた(笑)。
野口五郎さん、ゴメンなさい…♫笑はって、許して!ゴロウ♫(笑)