YOSHIの青春歌謡曲!!

〜青春時代に聴いた宝物の再発見〜

~ストーブの芯の交換が曲の原点?~冬が来る前に/紙ふうせん(1977年11月)

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1977年11月1日に発売された「紙ふうせん」の8枚目のシングル。

国民的ソング『翼をください』で有名なフォークグループ「赤い鳥」のメンバーだった後藤悦治郎平山泰代は、「赤い鳥」解散直前に結婚して1974年からフォークデュオ「紙ふうせん」として活動。3年後にリリースされたこの『冬が来る前に』がオリコンチャート最高4位、45万枚の売り上げを記録する大ヒットに。

僕は、この曲を聞く度に何故か、渡辺真知子の『迷い道』の♫ひとつ曲り角ひとつまちがえて  迷い道くねくね~♫(作詞作曲:渡辺真知子)のメロディーがいつもセットになって頭の中をよぎっていた。たまたま、同じ冬の時期にヒットしたからなのだろうと思っていたのだが、ある時『迷い道』も発売日が1977年11月1日であり、『冬が来る前に』と全く同じであることが分かった。何という偶然!!(笑)

 

元々、二人は兵庫県立尼崎北高校3年の時同じクラスだったが、当時から平山泰代は男子生徒のアイドル的存在で、後藤悦治郎は、高嶺の花の彼女に声も掛けられなかったらしい。※1

そんな彼が、生涯のパートナーとして彼女をゲットするまでのエピソードがこの曲に秘められているという。※2

 

作詞:後藤悦治郎

作曲:浦野直

「坂の細い道を 夏の雨にうたれ   言葉さがし続けて 別れた二人

小麦色に焼けた肌は色もあせて   黄昏わたし一人 海を見るの

冬が来る前に   もう一度 あの人とめぐり逢いたい

冬が来る前に   もう一度 あの人とめぐり逢いたい

 

秋の風が吹いて 街はコスモス色   あなたからの便り 風に聞くの

落葉つもる道は 夏の想い出道   今日もわたし一人 バスを待つの

冬が来る前に   もう一度 あの人とめぐり逢いたい

冬が来る前に   もう一度 あの人とめぐり逢いたい」

 

♫坂の細い道を 夏の雨にうたれ   言葉さがし続けて 別れた二人♫

    港町神戸の山手にある動物園。坂の下には港が広がり、振り返ると六甲山を仰ぎ見ることができる。この部分の歌詞は、二人が22歳の頃この動物園でデートした時に、後藤が平山にプロポーズしたものの受け入れてもらえず、二人は気まずい雰囲気のまま動物園から坂道を下った帰り道の体験がベースになったらしい。※2

 

♫冬が来る前に   もう一度 あの人とめぐり逢いたい♫

   晩秋のある日、後藤が「冬が来る前にきれいにしないとアカンなぁ」と呟きながら、円筒形のボディのアラジンの石油ストーブの芯を取り替え、バンドのメンバーだった浦野直が先に仕上げていたサビのメロディーをピアノで弾いていたら「冬が来る前に」というフレーズがはまったという。※1

つまり、♫冬が来る前に、ストーブの芯替えよ♫→♫冬が来る前に   もう一度 あの人と…♫

サビの部分の美しいメロディーと歌詞は、ストーブの芯の交換によるものだったのか(笑)…

 

動物園でのプロポーズから数年後、「赤い鳥」のメンバー5人のうち3人が去っていき(後にハイ・ファイ・セットを結成)、二人だけが取り残された中で、後藤が「これからの人生、フィフティ・フィフティで一緒に生きて行きませんか?」と再度プロポーズ。平山も今度は承諾し、メデタく夫婦デュオの結成とあいなった。※1

 

空振りに終わった最初のプロポーズの後、二人が言葉を探し続けて降りた「坂の細い道」は、決して結婚への「迷い道」などではなく、チョッピリほろ苦い思い出の詰まった「青春の坂道」だったのではないだろうか?

 

※1  BSテレ東  2019年10月15日放送  「大追跡! 懐かしのあのスターは今?」による

※2 TAP the POP  季節(いま)の歌  冬が来る前に~40年間歌い続けてきた二人の絆と、思い出の坂道~佐々木モトアキ氏による


紙ふうせん「冬が来る前に」